研究計画・志望理由

August 18, 2017

放送大学大学院の出願

 院試弱では「放送大学大学院研究計画書ゼミ」を設置して,半年以上前から今月末の出願に向けて指導を行ってきた。そして本日,4月から指導してきた受講生から,出願のご報告をいただいた。早くから準備を開始していた方だけに,何とか完成できたのはぼくとしてもうれしいかぎりである。しかし,ぼくのほうはまだ安心できない。というのも,出願時期は今月末に迫っているが,まだ完成にいたっていない受講生も多くいるからである。あと10日ほど,ぼくもがんばっていかなければならない。

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July 13, 2017

文献探索の方法

 研究計画書を書くうえで,研究テーマに関連する先行研究を探すことは必要不可欠となる。あたりまえのことであるが,先行研究は「研究」の名にふさわしいものでなければならない。つまり,概説書や教科書,あるいは一般向け解説書などは「先行研究」とは言えないのである。「先行研究」と言う以上は,研究論文や研究書でなければならないのである。
 しかし,大学院入試の準備をしている人にとっては,これはちょっと敷居が高いかもしれない。そのような人が関連する研究をどのように探せばよいのかと,途方に暮れている人は多く,院試塾の研究計画書関連指導においても,そのような相談が多くなされる。
 概説書レベルのものを読んでいる人が,どのようにして関連する研究論文などを探せばよいのだろうか。まず,よい概説書には必ずと言ってよいほど,章ごとに「文献解題」や「文献解説」のページが設けられていて,その章の内容に関連する研究論文や研究書が紹介されている。つまり,概説書を入口にして,先行研究の世界を探索していくことが可能なのである。
 そのようにして研究論文などに到達できれば,その論文などの参考文献からさらに探索を進めていくことができる。そのようにして「芋づる式」に先行研究をたどっていくことができれば,その分野の研究に必要な文献はたどっていくことができるはずなのである。

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July 12, 2017

研究計画書の読み手は誰か?―無駄な「解説」をしないために

 研究計画書などを書く際に,必要以上に現状説明や背景記述を含めてしまう人が多い。この最大の原因はおそらく,自分の頭のなかにある考えを整理する過程を書いてしまうからであろう。他人に伝達するための文章というのは,「整理した結果」を書くものであって,そこまでの過程は本来,文章の「外」で行うべきものである。
 また,研究計画書などの読み手が誰であるかも十分考えておく必要がある。これは,その学問分野の専門家である大学院の教員である。その相手に対して,基本的なことがらから「解説」することは,不要であるばかりか失礼ですらあるだろう。このことをしっかり意識しながら,読み手がほんとうに知りたがっていると思われることだけを記述するように最新の注意を払わなければならない。
 また,限られた字数のなかで不要な「解説」を書いてしまうと,ほんとうに必要なことがかけなくなってしまうという問題もある。「研究計画書」で伝えるべきことは当然ながら,自分が大学院でどのような研究をしようと考えているかである。ところが,自分が調べたり勉強したりして蓄積した知識を,「自分はこれだけ勉強しました」とアピールするために解説などの不要な内容を書いてしまう人が多いのである。これでは知識量をアピールするどころか,研究計画書とは何かがわかっていないということを露呈してしまうのである。
 これまでにも強調していることではあるが,大切なことなのでもう一度確認しておこう。「研究計画書」とは,「研究」の「計画」を書くものであり,それ以外の内容は基本的に不要なのである。求められていることだけを厳選して書いた「中身の濃い」研究計画書こそが,高く評価されるものなのである。

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May 27, 2017

研究計画書と先行研究

 研究計画書を書くうえで先行研究が必要不可欠であるということはそれなりに浸透しているようで,院試塾の研究計画書関連指導で最初に書いてもらう「研究計画書構想シート」を書く際にも,先行研究の欄がまったく空欄と言うことは少なくなってきた。しかし,先行研究の扱いについての認識が十分なものになっているとは言いがたい。特に大きな問題点は以下の2点である。


  1. 「先行研究」として挙がっているのが教科書・概説書レベルのものばかりである

  2. 「先行研究」を紹介はしているものの,自分の研究とどのように関連するのかが十分記述できない


まずは第1点から説明していこう。「先行『研究』」というのだから,そこに挙がる文献は「研究」の名に値するものでなければならない。そもそも,教科書・概説書レベルの文献は自習段階で読んでしっかり自分のものにしておくべきもので,大学院での研究の参考にすべきものではないのである。こういう人は,教科書・概説書レベルの本からの「文献探索」が不十分なのである。優れた教科書・概説書には必ず「文献解説」や「文献解題」があって,その本で出てきた重要な本格的研究書や論文を挙げ,それがどのようなものであるかを簡単に説明している。準備学習の段階でこのような解説等を十分参照して,文献探索をしておかなければならないのである。
 続いて第2点について説明したい。このような問題点が出てくるのは,「自分はこれだけの先行研究を勉強しています」ということをアピールするための記述になってしまっているからだ。研究計画書における先行研究の記述は,「自分の研究でそれらの先行研究とどのように向きあうか」を述べるものでなければならない。この「向きあいかた」には以下のようなものが考えられる。

  • その先行研究を裏づける

  • その先行研究に反論する

  • その先行研究の研究方法を応用する


研究計画書で先行研究に言及する際には,必ずこれらの点を明確にすべきなのである。
 なお,院試塾の「研究計画書作成指導」では,研究の構想レベルからの指導には対応しているが,文献探索については助言はするものの受講生自身で進めてもらうことになる。文献探索の過程でもある程度のサポートを希望する方には,「社会人のための大学院研究生活入門ゼミ」をお勧めしている。このゼミでは,教科書・概説書の文献解説などから文献を探索し,それらの文献についてブックレポートを書いてもらいながら理解を深めていくプロセスを支援していく。

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May 25, 2017

研究計画書作成―準備不足の人が実に多い

 院試塾では,「研究計画書作成指導」をはじめとして,大学院出願時に提出する研究計画書の作成指導を行っている。研究計画書について相談をしてきた人たちには一貫して,「できるかぎり早い段階から準備をしてください。そのために早くから利用するようにしてください」と呼びかけているのだが,「じっくり検討する」とか何とか言いながらチャンスを逃している人が多い。そして,そのような人たちは多くの場合「準備不足」で,かなり急いで作成を進めなければならなくなってしまうのである。もちろん,じっくり時間をかけて作成したもののほうが完成度は高く,合格できる可能性も高くなると言えるだろう。
 一度出願して不合格になった,という人も多い。院試塾の研究計画書関連指導ではまず,「研究計画書・志望理由書指導用シートで紹介した「研究計画書構想シート」を提出してもらうのだが,「先行研究」が概説書1点のみ,などというケースもある。それで研究計画書を書いて出願したというのだから,驚いてしまう。
 「研究計画書作成指導」の最長指導期間は6か月だが,概説書レベルから文献探索を進めていくとなると,その期間では間に合わない場合も多い,そこで,より基本的なレベルから学習を積み重ねていくプロセスを支援する講座として,「社会人のための大学院研究生活入門ゼミ」を設置している。このゼミでは,概説書などを1冊とりあげ,章ごとに読み進めながら研究テーマに関する知識を深め,基礎知識の充実を図りながら文献探索も行っていく。基礎に不安があるという人にぜひお勧めしたいゼミである。

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May 19, 2017

研究計画書・志望理由書指導用シート

 院試塾の「研究計画書作成指導」などでは,研究計画書・志望理由書の構想段階からの指導を受けることができ,完成原稿を提出する必要はない(「研究計画書短期コメント指導」は完成原稿のみを受け付けている)。以前は考えていることを簡単にまとめた構想メモなどを受講生自身で作成して提出していただいていたのだが,このところはWord形式のファイルで表のフォーマットになっているシート類のテンプレートをお送りして,それに記入して提出していただいている。現在院試塾で使用しているのは以下の4種類である。


  • 研究計画書構想シート

  • 研究テーマ検討シート

  • 志望大学院検討シート

  • 志望理由検討シート


 「研究計画書作成指導」の指導開始時には「研究計画書構想シート」を提出していただく。このシートには以下の項目を記入するようになっている。

  • 研究目標

  • 研究の意義

  • 研究課題

  • 研究方法

  • 先行研究

  • 所属教員・開設授業


このシートから研究計画書の概要作成につなげていく。この作業については,「構想シートから研究計画書の概要を作成する」という解説資料(A4版2ページ)を配布している。この資料では,これまでの指導で多く見られた問題あらかじめ避けながら概要を書くように指示をしている。
 このシートの作成時に研究テーマで迷っているという相談を受けることがあり,その場合に使用するのが「研究テーマ検討シート」である。このシートでは5つの研究テーマの候補について,以下の点での比較検討を行う。

  • 興味・関心

  • 修了後のキャリア計画での成果活用の展望

  • 指導希望教員の研究・教育内容との整合性

  • 関連するテーマ・内容を扱いそうな大学院の授業

  • 存在を把握している先行研究


このシートの作成を通じて,もっとも具体的に書きこむことのできたテーマを研究テーマに選定するように指導していく。
 志望理由については,複数の大学院について比較検討する「志望大学院検討シート」から作成を進めていく。このシートに記入すべき項目は以下のとおりである。

  • 志望大学院[※最大3校]

  • 身につけたい知識・スキルなど[※最大5項目]

  • 知識・スキルなどを習得するうえで適切と思われる程度を4段階で評価

  • 評価の根拠となる教員・授業など


 このシートの作成を通じて志望大学院を選定したら,続いて,志望理由書作成の基礎となる「志望理由検討シート」の作成に進んでいく。このシートには以下の内容を記入する。

  • 修了後のキャリア目標

  • 実現に必要な知識・スキル[※最大5項目]

  • 知識・スキルに関連する所属教員

  • 知識・スキルに関連する開設授業

  • 知識・スキルに関連するその他の特徴


 上記のシート群を作成しながら自分の頭で考えていくことで,研究計画書や志望理由書を書くうえで,今の自分の考えのどこが問題でどこが足りないかを自覚的に意識していってもらうわけである。

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September 07, 2016

研究計画書に現状説明・背景記述が不要な理由

 院試塾の研究計画書関連指導で多く指導する内容の1つが,「現状説明・背景記述は不要である」という点だ。しかし,こうした内容だけを延々と書いて,「研究計画書」の内容の中心となるべき,自分の「研究」の「計画」があまりかけなくなってしまう場合が多い。今回は,なぜこのような「現状説明・背景記述」が必要ないのかを説明していこう。
 「研究計画書」という文書で伝達すべきことは,読み手である大学院教員にとって未知の情報でなければならない。つまり,自分の「研究」は読み手にとって未知の情報であるが,関連する現状や背景は専門家であれば当然知っているはずなのである。このような内容を延々と述べるのは,不要なことに字数を費やして本当に必要なことが欠けなくなるというばかりではなく,適切な伝達とはどういうことかがわかっていないと自分で言ってしまっていることになるのである。
 それではなぜこのようなことを延々と書いてしまう間違いを多くの人が犯してしまうのか。それはおそらく,学生時代のレポートや卒業論文と同じように考えているからであろう。レポートや卒業論文は,自分がどれだけ勉強して知識を身につけたかを教員に知ってもらうためのものであるから,授業の内容や自分が読んだ文献の内容,つまり読み手である教員が知っているはずの情報が中心となるのは当たり前なのである。研究計画書は目的が異なるので,当然内容も変わってきてしかるべきなのである。ところが,研究計画書で自分がいかに勉強しているかを「アピール」しようとする人が多く,そのために読み手が知っているはずの内容を延々と書いてしまうという誤りを犯してしまうのである。

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July 17, 2016

研究計画書構想シート

 これまで,院試塾の研究計画書関連指導では,初回の指導内容として,作成途中の原稿,構想メモ,相談などを受け付けていたが,最初の構想段階でよけいなことをどうしても書いてしまい,先に進めないというケースが多かった。そこでこの度,最初に考えるべき内容を表に記入してもらう「研究計画書構想シート」を作成してみた。このシートには現状分析や研究背景に関する項目はいっさいないので,最初から研究の内容について考えてもらう助けになるはずだ。
 シートの内容は「企業秘密」だが,これまでの指導経験をふまえ,最初に考えてもらうよう指示していた項目を表形式にまとめてある。これで受講生は考える作業を楽に行えるようになると確信している。

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July 15, 2016

自分の頭で考え,自分の言葉で書く研究計画書指導

 院試塾の研究計画書関連指導の特徴は,「自分の頭で考え,自分の言葉で書く」ことを重視していることで,これは院試塾の「合格者コメント」からも読み取れると思う。この指導方針を誤解して,「院試塾では何も教えてくれない」などと言っている人もいるようだが,このように受け止めるか,それとも「自分の頭で考え,自分の言葉で書く」ことが大切だと考えて,指導内容を真摯に受け止めて適切に対処したかどうかが,合否の分かれ目ではないかと思う。
 この点で特に大切なのが,神戸大学経営学研究科に合格された方のコメントに書かれている以下の内容であろう。


研究計画書は,文章そのものを誰かに添削してもらったり半分書いてもらったりして見栄えの良いものが完成出来てもそれで合格する訳ではありません。最近は,他人に殆ど添削されて直されたものをそのまま研究計画書として提出する受験生も結構いるのを大学院側も注意しているので,2次試験の口述試験では,研究計画書に書いてあることと本人の思考力,論理性のレベルを対比する為に突っ込んだ質問するなどして面接官もかなり慎重に確認しておられます。こうした試験に対処するには,研究計画書作成の過程で,何故大学院へ行くのかを考え,問題意識を十分に持ち,何故それが学問で究明すべきテーマなのかを自らに問い,またその為に対象とする学問領域でテーマに関係する先行研究がどれだけされているかを充分に把握した上で,良く自分で考えた結果を研究計画書に仕上げることが肝心と思います。

 院試塾の指導を受けた人は,誰に尋ねられても胸をはって,「この研究計画書は自分で書いたものだ」と言うことができる。つまり,細々と「ここはこう直してください」というような指導を院試塾はしないのである。学部時代に卒業論文を書いた経験があればわかると思うが,指導教員は卒業論文をすべて「添削」したりはしないのである。卒業論文はあくまで学生本人が自分の名前で提出するものであり,指導教員はその過程を「指導」する立場であるから,教員自身が書いたようなことにはならないように注意するものなのである。
 また,自分の頭で考え,自分の言葉で書くことの意義は,「埼玉県立大学保健医療福祉学研究科に合格された方のコメントの以下の記述からもわかる。

完成した研究計画書は,愛着が湧くほどのものになりました。自分が主体で考えたものであるので,面接での質問にも自信を持って答えることができるというのも頷けます。畑中先生とのやり取りを通して「考え抜く」という経験が出来たことは,私の大きな財産です。

自分の頭で考え,自分の言葉で書いたからこそ「愛着が湧く」とまで言えるものになるのである。
 さらに,「このように考えられる人こそが合格するのだな」と感じられる例となるコメントをあげておきたいと思う。九州大学地球社会統合科学府と立命館大学言語教育情報研究科に合格された方のコメントには,以下の記述がある。

上記のような指導の他に院試塾の大きな特徴として自分の言葉で書かせる指導が挙げられます。研究計画書を書き上げた後,畑中先生からコメントを頂けるのですが,ここには「答え」は書いてありません。例えば,私が先生からのコメントで最も多く頂いたのは「再検討しましょう」です。もしここに「答え」が書いてあったら私が書いた研究計画書にならなかったと思いますし,所属教員による口頭試問にもスムーズに答えることができなかったことでしょう。このように自分の力で「再検討」し文章を練り上げる作業は大学院入学後もきっと私の研究生活を助けてくれると思います。

皆さんもぜひ,院試塾の指導を受けてこれらの方々の後に続いていただきたいものだと思う。

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July 11, 2016

放送大学大学院修士全科生入試の志望理由書

 このブログの検索履歴で「放送大学 大学院 志望理由書」が上位にあったので,多くの人が志望理由書の書き方で迷っているのだろうと考え,ぼくなりの考えを書いておきたい。なお,院試塾では「放送大学大学院研究計画書ゼミ」で指導対応している。
 募集要項には「志望理由書」に記入すべき内容として,「研究題目を決めた理由と,1.で選んだプログラム[所属を希望するプログラム]を希望する理由」を挙げ,以下のように指示している。


 研究題目(研究計画書に記載したもの)を決めた理由と、1で選んだプログラムを希望する理由について
具体的に記入してください。(700字程度)。
 例えば、「現在の職務との関連、あるいは社会生活の中で、研究題目に関わる問題を深く考えるに至った経緯、選択したプログラムが研究題目を研究するためにふさわしいと考えた理由」などについて具体的に記入してください。

これを見るかぎり,研究計画書に書いた研究テーマをなぜこのタイミングで大学院という場で研究したいと考えるに至ったのか,また,そのために所属を希望するブログラムはどのような点でふさわしいと言えるのか,といったことを書けばよいと考えることができる。
 これまでの指導経験から言って,犯しがちな誤りとしては,「大学院での研究に対する『想い』や『意気込み』」を述べることが「やる気」のアピールになると考えてこれらの点について延々記述し,指示されている内容を書かないことや,放送授業の柔軟性を中心に言及しているものが見られる。後者は多少は関係があるので少しなら書いても差し支えないが,その場合でも通学制の大学院にはどうしても通えない理由がある点をしっかり述べる必要がある。また,志望プログラムの開設授業や所属教員の自分の研究内容との整合性を十分掘り下げて述べられるかどうかが勝負を分けると言えるだろう。

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