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January 01, 2018

大学院入試の小論文―構成の手がかりは設問のなかにある

 大学院入試の小論文について,きちんとわからないままあちこちで言われていることに振り回されている人をよく目にする。しかし,「問いに対して学問的な議論のしかたで正確に答える」という基本をきちんとふまえていれば,倉庫まったり迷ったりはしなくてよいのである。筆記試験日が近づいている神戸大学MBAの平成29年度入試の問題を題材に考えてみよう。設問指示は以下のようになっている。


本格的にAIとIoTの時代を迎えるにあたり、現代の企業と働く側の個人が抱える課題と,それらに対して考えられる必要な対策や戦略について,①企業視点,②従業員視点,③国の視点から具体的に議論してください。その際,各自が重要だと考える記事内でのキーワードをいくつか用いてください。なお,特定の企業や業界を念頭に議論しても構いませんがも事例紹介に終始しないようご留意ください。(900文字以内)

この設問に答えるために適切な構成は,2段落にするのが望ましいであろう。なぜなら,問いの内容は大きく2つであり,小論文で適切な段落な長さは400字前後とされているので,全体が900字であれば2段落にすれば1段落平均450字ということになるからだ。
 それぞれの段落では次のような内容を扱うことになる。すなわち,第1段落では「現代の企業と働く側の個人が抱える課題」を,第2段落では「それらに対して考えられる必要な対策や戦略」を述べるのである。それぞれの段落はトピックセンテンス,つまり,段落全体で述べる内容を簡潔にまとめた「表札」の役割をする文ではじめるのが適切である。たとえば第1段落の書き出しの文は「AIとIoTの時代に向けての現代の企業が抱える課題は~であり,個人が抱える課題は…て゜ある」とするのがよいであろう。この文に続けて,企業の課題と個人の課題をそれぞれより詳細に論じていくことになる。
 第2段落では「それらに対して考えられる必要な対策や戦略」を「①企業視点、②従業員視点、③国の視点」で論じていくことになる。この際に気をつけなければならないのは,自分が思いつく内容によって3つの視点の記述分量に大きな偏りが生じないようにすることである。すなわち,3項目をできるかぎり同じ分量で説明するように考えることが大切なのだ。

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