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August 11, 2017

倒置構文が用いられる理由―主題性と文末焦点(2)

 「倒置構文が用いられる理由―主題性と文末焦点」という記事では,S+V+場所の副詞句という形の文が場所の副詞句+V+Sという形に倒置される構文をとりあげ,このような語順転換が生じる原因として前置される場所の副詞句に含まれる要素の主題性と長い主語が文末に回るという文末焦点の2つがあることを説明した。今回とりあげる実例は,このうち主題性だけが問題になりそうなものである。


Why? Because he was an inventor, not an entrepreneur. And in that distinction lies the core of this book. (Chris Anderson, Makers: The New Industrial Revolution, Amazon Kindle版位置No.84)

この例では,たとえばもとの語順にしてthe core of this book lies in that distinctionのようにしても,特に文頭の主語が後続部分に比べて長いとは言いがたいように思われるので,文末焦点は倒置の動機づけにはなりがたいのではなかろうか。だとすれば,倒置構文を用いている理由は,前置されている場所の副詞句に含まれるthat distinctionが前文のhe was an inventor, not an entrepreneurという区別を承けたものであるという主題性にのみ求めることができるのではないだろうか。

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