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May 02, 2017

reallyの意味と否定の作用域

 否定の解釈が難しい要因の1つに「否定の作用域」の問題がある。否定の作用域とは,否定が及ぶ範囲のことで,通常は否定語から文末方向である。これだけであれば話は単純なのだが,実はさまざまな語がこの作用域に入っているかどうかで意味が違ってくるからやっかいだ。たとえばreallyがこれに当たる。たとえば『ウィズダム英和辞典』では,以下のように説明している。


  • I really don't know.本当に知りません(reallyの位置により文意が変わる)

  • I don't really know.あまりよくわからないんですよ


実は上記のような違いは,reallyが否定の作用域に入っているかどうかから生じてくるのである。I really don't know.においては,reallyが否定の作用域の外にあって,つまりは否定の影響を受けない。だから,「本当に[知りません]]という解釈になるのに対して,I don't really know.ではreallyが否定の作用域に入っているので[[あまりよくわから]ないんですよ]という解釈になるわけである。
 これをふまえてちょっとした練習問題に挑戦してみてほしい。次のうち,「彼のことが大嫌い」という意味になるのはどちらだろうか。

  1. I really don't like him.

  2. I don't really like him.


否定の意味をreallyが強めるのが「彼のことが大嫌い」という解釈であるから,reallyは否定の作用域の外になければならない。つまり,この意味になるのは1.のほうなのである。

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