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May 17, 2017

学問的文章の技術―きちんと構造化する

 院試塾の「研究計画書作成指導」「社会人のための大学院研究生活入門ゼミ」や「大学院入試小論文指導」などでぼくが重点的に指導していることの1つに,文章の「構造化」というのがある。この「構造化」とは,簡単に言うなら,段落を論理の基本単位として,1段落の内容は1つだけにし,しかもその「表札」を冒頭の1文(トピック・センテンスと呼ぶ)にきちんと示すというものである。上述の指導で提出される文章を見ていると,段落を「なんとなく」「雰囲気で」改行することで区切っている人が多く,しかも,段落のどこにいちばん大切なことが書いてあるのかがよくわからない,というものが多い。特に忙しい相手に内容をきちんと伝えるためには,文章を「構造化」して,苦労なく内容把握ができるように整理したほうがよいのである。
 ついでに言うと,木下是雄が『理科系の作文技術』で「ねじれ文」と読んでいる文も多く見られる。木下の挙げている例を引用しておこう。


  • 安全な歩き方の指導は,歩道・路側帯などの歩車分離がある時の歩き方と,歩車分離がない時の歩き方との二通りの指導がある。


この文が文法的に見て破格であるのは,「指導は…指導がある」となっていて,「〜は」という書き出しと文末とがきちんと対応した関係になっていないからである。このような文を書いてしまうのも,文章論理をきちんと考えずに,「なんとなく」「雰囲気で」書いているからだろう。
 文章を書くときには,きちんと「意識しながら」書かなければならないのである。

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