February 06, 2010

研究計画書に決まった「書きかた」があるわけではない

 研究計画書の「書きかた」を教えてほしい,という要望がときどきある。しかし,そういう人のほとんどが直面しているのは,実は「書きかた」の問題ではなく「考えかた」の問題である。もっと言うと,何を書くべきかもわかっていないし,また,仮にそれがわかったとしても,書くべきことの材料をきちんと持っていないのである。
 何度も書いてきたことだが,「研究計画書」とは「研究」の「計画」を書くべきものだ。もちろん,大学院によってはさまざまな記述内容の指定をしている場合があり,その場合にそれに従うべきであることは言うまでもないが,内容の指定がなければ,「研究」の「計画」を書けばよいのである。
 最大の問題点は「研究」とは何かがわかっていないことだ。「研究」は「学習」とも「調査」とも違う。「学習」は当人が何か新しいことを身につければよいが,「研究」では多少なりとも新しいことを学問の共有財産に付け加えるものでなければならない。実際にそれが可能であるかどうかは別にしても,それを標榜することは最低限必要だ。
 また,「調査」だけでは研究は成立しない。「調査」は単なるデータ収集にすぎないからだ。調査結果をどのように分析・考察して研究の目標を達成するかが勝負どころとなる。
 こうした点について,「研究をしたことがないからわからない」という人がいるが,そういうことを言っていては大学院になどいつまでたっても入れない。研究などいつまでたってもできない。自分が研究というものをしたことがなくても,他人の研究成果を目にしていない人はいないはずだ。もしその分野の研究論文を1本も読んだことがない,というのなら,研究計画書など書く前に,まずはしっかり勉強しなければならない。
 研究論文というものは,必ずその学問分野の研究の流れという「文脈」のなかで書かれている。その文脈のなかで,それまでの研究に対して何か新しいものを付け加えたり修正をせまったりするのが研究論文である。だから,1本の研究論文をまともに読みこなすためには,この「文脈」を理解する必要がある。このようにして何本かの研究論文を読んでいけば,たとえ自分自身では研究をしたことがなくても,研究とは何かがわかるはずだ。もちろん,この過程で自分なりの疑問が持てればしめたものだ。
 「計画」については,何も詳細なものを提示する必要はない(言うまでもないことだが,記述指示でそうした内容が求められている場合は別)。限られた期間で目標をどのように達成していこうと考えているについて,ある程度の見通しが示せればよい。その際,先行研究に十分言及することが大切である。自分の研究を,やはりそれまでの研究の文脈に位置づけていく必要があるからだ。

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January 21, 2010

記述指示に忠実に従うということ

 研究計画書・志望理由書などで,記述すべき項目が指定されている場合がある。そういう場合,当然ながら記述指示に忠実に従うことが重要となる。
 1つの例として,早稲田大学ファイナンス研究科の課題エッセイをとりあげよう。課題エッセイ2の記述指示は「これまで,あなたの価値観・倫理観・リーダーシップなどが,組織に最も影響を与えた経験を説明してください。その際,あなたが業績弥問題解決にどのように貢献したかを述べてください」となっている。一見,単純な記述指示のようだが,「早稲田大学ファイナンス研究科提出書類指導」での指導経験から言うと,これがなかなかやっかいなのだ。
 ありがちな間違いの1つは,「経験」をいくつか記述することだ。「最も影響を与えた」という指示から考えると,経験は1つに絞り込むべきである。もちろん,どれだけのものを1つの経験ととらえるかにはある程度幅が出てしかるべきだろう。しかし,バラバラのものを2つ以上記述したのでは,「最も影響を与えた」という指示から外れていると判断されてしまうだろう。
 その他,記述指示1つ1つをきちんと確認し,自分の書く文がそれぞれ指示に的確に答えていることを確かめながら記述しなければならない。漫然と書いていてもダメなのだ。そのためには,自分の書いているものを客観的に見つめ直すことが大切だ。
 ついでながら,「早稲田大学ファイナンス研究科提出書類指導」では,現在6月の提出に向けて指導申込の受付を行っている。この課題エッセイに手間取る人が多い。受験を考えている人は早めに着手することをお勧めする。2月1日までなら早期申込割引もある。

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December 14, 2009

言語系大学院の研究計画書

 ぼくのもともとの専門は言語学,とりわけ,英語を対象とする理論言語学(形態論)だ。ただ,これまで院試塾の指導ではこの点を強く打ち出してはこなかった。しかし,言語系の大学院の指導を何件か受けるようになって,専門知識をもっと生かせるのではないかと考えるにいたった。もっとも,これまでにも多少の実績はあるし,早稲田大学日本語教育研究科については特別指導を設置している。
 もちろん,言語学と言ってもかなり幅広いのだが,たとえば関西学院大学言語コミュニケーション文化研究科などは,A4版1枚の研究計画書に加えて3000字程度の課題論文を提出しなければならず,言語学的な観点から指導を行うのはやりがいがあると考えている。他にも,関西大学外国語教育学研究科や獨協大学外国語学研究科などにも対応可能だと考えている。
 言語学関連のサポートをえられるところはあまり多くないようだ。皆さんの情熱や知識と,ぼくの経験・知識がうまく一致してよいものが書ければよいと思う。
 指導は「研究計画書作成指導」にて対応。関西学院大学言語コミュニケーション文化研究科の場合研究計画書+課題論文で65,000円。

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December 13, 2009

社会人の大学院入門

 つい最近「社会人のための大学院研究生活入門ゼミ」で学びはじめた人がいる。最初に受講相談をいただいたときには,大学院に行くかどうかすら迷っているとのことで,2011年度入試に向けて勉強していきたいとのことだったので,上記のゼミを薦めた。院試塾の理念にも深く賛同してくださっているとのこと。
 実はこのゼミは,こういう方にまさにぴったりなのである。大学院で何を学びたいかを見きわめながら,研究について少しずつ考えを深めると同時に,自分の学びたいことがどの大学院で学べるかを検討していく。その過程で基礎から本を読み,本の中身から学びを広げていくのである。最長1年間でこの自己探究と学問研究への準備を進めていく。
 この方にはとりあえず学びたいことをごく簡単にまとめてお送りいただき,関連する本を1冊探してみるように指示を出した。本が見つかった旨連絡をいただいたので,次はブックレビューを書いてもらおうと考えている。
 まだ先は長いが,こういう「手応え」を感じられると本当にうれしい。

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November 24, 2009

書くべきことをしっかり見据える―トピックからの展開

 研究計画書や志望理由書の指導をしていて感じるのだが,書くべきことをしっかり見据えることが,実は意外に難しいようだ。
 記述指示がある場合,必ずそれを明確に意識しながら,1文1文が必ずその記述指示に答えるものであるように組み立てる必要がある。たとえば,「早稲田大学ファイナンス研究科提出書類指導」で指導する課題エッセイのうち,課題2は「これまで,あなたの価値観・倫理観・リーダーシップなどが,組織にもっとも影響を与えた経験を説明してください。その際,あなたが業績や問題解決にどのように貢献したかを述べてください」となっている。一見,たいして難しくないように思えるかもしれない。しかし,履修・研究計画書,課題エッセイ1(志望理由書の一種と考えて差し支えない),課題エッセイ2の3点のうち,もっとも苦労する人が多いのがこの課題エッセイ2である。
 このような記述指示がある場合には,まず記述指示に1文で明確かつ簡潔に答えるものを書くのがよい。これがいわゆるトピック・センテンスである。あとはこのトピック・センテンスのキーワードを順に展開していくつもりで書けばうまくいくはずだ。
 と言えば簡単そうに思えるが,すでに述べたように,けっこう苦心する人が多い。一度挑戦してみるとよい。最初からうまくいく人は,かなりの文章力があると言ってよいだろう。うまくいかない人は,院試塾の指導をご利用いただきたい。トピック・センテンスの段階から指導を行っている。

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November 22, 2009

英文の「論理展開」に注目する

 本当の英文読解とは,内容をきちんと読み取ることである。言うまでもないことだが,未知の語句や表面的な文法構造に気をとられて,きちんとした読解ができない人も多い。
 内容を理解するために大切なのが,文章論理を正確に追うことである。今回はその基本を見ていこう。以下の英文を見てほしい。


There are many differences in creation myths around the world, but there are also [X]some striking similarities. [1]For one thins, their imagery often incorporates the idea of a supreme craftsman. The beauty of the natural world is thus represented as the handiwork of a skilled artisan, examples of which are found in all cultures. [2]Another recurring image is the growth of order from chaos, mirroring the progressive organization of human society. [3]Yet another parallel is the Universe as a biological process. The most striking examples of this occur in myths that depict the cosmos as forming from an egg or seed. (Peter Coles (2001) Cosmology: A Very Short Introduction. p.2)

 基本的な論理展開は,下線部[X]の具体例が下線部[1}~[3}になっている,というものだ。one→another→yet anotherという形で3つの類似点が提示されている。段落の第1文,つまりトピック・センテンスで提示した内容を展開していくという流れは,英文の論理のもっとも基本的なものである。
 この流れに乗って読み進めていくことで,語句の意味もつかみやすくなる。たとえば,similaritiesの意味を後続部分でどのように表しているかに着目してみると,[1}の文のoftenとその次の文のall cultures,[2]の文のrecurring,[3]の文のparallelがそれぞれsimilaritiesを承けていると判断できる。parallelなどはこれで「類似点」という意味であるとわかるのである。また,[1}の文のimagery,[2]の文のimageに対応するのが,[3]の次の文のdepictである。これも流れにそって読んでいくことでつかめる。
 さらに,第1,第3の類似点の提示が二段構えになっている点にも注目しておこう。それぞれが「抽象→具体」という展開になっている。これにしっかり注目することによって,The beauty of the natural world is thus ...のthusが「たとえば」という意味であることがわかるし,[3]の文のa biological processが,forming from an egg or seedとの関連から,「生物が成長する過程」という意味だと具体的に読み取ることもできる。
 こういう読みかたに対して,わかっている者の後づけだ,という人がいる。しかし,1つ確実に言えるのは,本当にわかっている人はこのような読みかたをする,ということだ。いつまでも「わかる」読みかたができないのは,自分の稚拙な読みにこだわるからではないのか。本当に「わかる」境地にたどりつこうとしないからではないのか。全体は部分の単なる総和ではない。また,どこかで大きく「飛躍」しなければ,真の成長はない。

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November 20, 2009

大学院入試,冬の陣

 1~2月は大学院入試のいわゆる「冬期入試」の時期だ。1月上旬~中旬に出願,1月末~2月にかけて入試というところが多いのではないだろうか。
 院試塾でも研究計画書の作成や英語の学習を希望する方が多くなる時期で,毎年のことだが年末・年始は基本的に休みなしの通常対応を行う。
 MBA関連では,一橋大学国際企業戦略研究科早稲田大学ファイナンス研究科,また,特別な指導は設定していないが早稲田大学ビジネススクール(「研究計画書作成指導」で対応)などの願書提出時期がいずれも1月中旬である。もうすでにあと2か月を切っており,出願するならすぐにでも準備に着手したほうがよい。
 特に,昨日最終合格発表のあった一橋ICSについては,再度出願するなら研究計画書の見直しも必要だろう。また,一度落ちた一橋を避けて,早稲田のファイナンスに志望変更するという動きも毎年見られる。一橋ICSと早稲田のファイナンスでは書くべき内容などがかなり異なるので,相当の準備が必要だ。特に,課題エッセイで苦労する人が多い。
 MBA関連以外でも,人文・社会科学系は冬期入試がひとつの「山」となる。やはり出願までは2か月程度で,研究計画書等の準備に着手すべき時期である。
 入試で英語のある人もいるだろう。試験が2月としても3か月。十分な学習は無理にしても,できるかぎりの準備はしておきたいところだ。院試塾では,試験直前の答案練習用講座として「短期添削コース」を設置している。また,英文読解の初歩から大学院入試の基礎レベルまでを学習する「大学院入試英語入門プログラム」も,今からなら課題をまとめて送る等の対応によって何とか2月までに学習を終わらせることが可能だ。
 皆さん,しっかりがんばりましょう。院試塾もしっかりサポートしていきます。

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November 19, 2009

大学院での学びにじっくり備える―大学院研究生活入門ゼミ

 「社会人のための大学院研究生活入門ゼミ」は,最長1年間で大学院の学びに備えようというコンセプトの講座だ。「講座」とは言っても,明確に決まった形の進めかたがあるわけではない。漠然とした興味・関心を「課題レポート」という文章にまとめながら自己探究する過程をサポートするのが中心である。
 「社会人のための」と銘打っていて,受講生も社会人が中心だが,中には現役の大学院生もいるし,生涯学習として学んでいる人もいる。大学院入試を目標としている人は,研究計画と志望理由を考えることが中心となる。まずは漠然とした興味・関心を簡単にまとめたものを提出してもらい,それにこちらからコメントをする。必要に応じて,本などを探して読んでもらう。場合によっては,課題レポートをいったん中断して,ブックレビューを書いてもらうこともある。その本のどこに興味を持ったか,それを自分の研究にどう結びつけてもらうかを中心に述べてもらうのだ。
 「ゼミ」という言葉が講座名に入っていることからもわかるとおり,大学のゼミを1対1のメールのやりとりで再現しようというのが大きな狙いである。口頭発表の代わりに課題レポートやブックレビューを書いてもらう。それにこちらからコメントをして,修正などの道筋を示す。
 現役の大学院生の使いかたには大きく2つあるようだ。1つは,指導教員から満足な指導が受けられないから,というもの。困ったことだとも思うが,大学院も一部ではだんだんマスプロ化が進んでいると言うことなのかもしれない。その場合にはぼくが指導教員に近い役割を果たすことになる。この場合,当然,必要な資料などはこちらでも読んでいく。もう1つは「セカンド・オピニオン」的な使いかたとでも言えばよいだろうか。
 とにかく,大学のゼミに近い形で,大学院での学びにじっくり備えてもらおうと考えている。こちらとしても,とてもやりがいのあるゼミだ。

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November 15, 2009

早稲田大学ファイナンス研究科にもう1名合格者&キャンペーンのご案内

 本日,早稲田大学ファイナンス研究科の合格報告をいただき,合格者は計2名となった。今回ご報告いただいた方は,計画書が具体的だと面接で褒められたとのことで,指導者としてもうれしいかぎりだ。
 少しでも多くの方に後に続いていただきたいと考え,この度特別キャンペーンを行うこととした。履修・研究計画書+課題エッセイ2点の指導を,通常70,000円のところ10%割引の63,000円とする。お申込は11月23日(月・祝),お支払は11月24日(火)までで,先着5名様限定。お申込は「早稲田大学ファイナンス研究科提出書類指導」から。申込フォームのお名前に「※」をつけていただけば割引が適用となる。
 冬期入試の出願まであと2か月。ぜひこの機会に好スタートを切って,合格者の後に続いていただければ幸いだ。
【※キャンペーンは終了しました】

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大学院進学を目指す大学3年生の皆さんへ

 大学院進学を考えている大学3年生の皆さんには,ぜひ今から準備を始めてほしい。やるべきことはたくさんある。
 大学院で何を研究したいのかをまずはしっかり考える必要がある。これが不明確だと「研究計画書」が書けない。卒業論文を書くことになるなら,それとあわせて考えていくのがよい。場合によっては「志望理由書」も必要だ。なぜ他の大学院ではなく,自分が行きたいと思う大学院を選ぶのかを明確に伝えなければならない。
 大学院では違う専攻分野を学びたいと考えている人もいるかもしれない。こうした場合には特に,研究計画書・志望理由書の準備には十分な時間をかける必要がある。
 こうした文書は学術文書の約束事をふまえて書く必要がある。卒業論文が課されていれば,その過程である程度は身につくものだが,特に社会科学系では卒業論文が課されないことが多く,こうした訓練もあわせて行う必要がある。
 専門科目は,ふだんきちんと学んでいれば知識レベルの問題はないだろう。しかし,小論文形式のものとなると,限られた字数の中で効果的な記述をする訓練を積んでおく必要がある。もちろん,大学のレポートでもある程度こうした訓練はできるはずだが,院試塾での指導経験から言うと,残念ながら十分な力がついていない人も多い。
 英語力はどうだろうか。多くの大学院入試では英語の試験がある。大学入試の頃に比べると英語力は落ちた,と感じる人も多いだろう。また,大学院入試英語は形式も内容も,大学入試と大きく異なる。英語力は一朝一夕にはなかなか身につかない。少しずつでも確実な実力養成をしていく必要があるのだ。
 大学院入試に向けて今から学習したい,と考えている皆さんにお勧めしたいのが,院試塾の「総合会員システム」だ。研究計画書・志望理由書,小論文,大学院入試英語,さらには口頭試問(面接)の指導をトータルに受けることができる。研究計画書・志望理由書などはごく初期の構想の段階から,対話式で少しずつ準備を進めていく。小論文も一気に書いた答案を添削するのではなく,やはり構想から肉付けをして完成まで導く。英語はもちろん過去問題にも対応するが,すばらしい概説書のシリーズである,Oxford University PressのVery Short Introductionsを訳しながら学ぶことも可能だ。1段落を2回の指導で学びながら,学術英文読解の基礎を身につけることができる。
 これから入試までの期間の大まかな学習のイメージは以下のようになる。
Inshi_prep
 大学3年生の皆さんに向けて書いたが,社会人の方にももちろんご利用いただける。大学院入試の準備を単なる「対策」としてではなく,すばらしい学びの経験としてとらえていただきたい。

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«学びのための読書の方法